帰れない二人
思ったよりも 夜露は冷たく
二人の声もふるえていました
「僕は君を」と言いかけた時
街の灯が消えました
もう星は帰ろうとしてる
帰れない二人を残して
街は静かに眠り続けて
口ぐせの様な夢を見ている
結んだ手と手のぬくもりだけが
とてもたしかに見えたのに
もう夢は急がされている
帰れない二人を残して
もう星は帰ろうとしてる
帰れない二人を残して
井上陽水/忌野清志郎
8月に入ってもしばらくは
雨が続き、仕事にも影響するし、
嫌な雰囲気が鈴鹿を覆っていた。
少しのあいだの休みには、
帰郷の途上である大地が崩落し、
道を失っていた。
帰ることはあきらめて、
実弟と袋井で落ち合い、
寸又峡までバイクを走らす。
夏休みで途中の道は
混雑していたから高速では
最高速チャレンジを止め、
せいぜいが180km/hの少し
回ったところ、リミッターが
カットされているのを確認したまで。
前日にクシタニ名古屋で、
レザーメッシュのライディングジャケットを
購入した。
数々の栄光に彩られたクシタニの
ウェアは、やはり素晴らしい。
むかし若いときは、高くて
手の届かなかったものを
恩讐の大人買いでやり過ごす。
寸又峡は行き止まりの場所にある。
夏休み中でも人波まばらで、
温泉にもゆっくり浸かる事が出来た。
でも夏の往復400kmツーリングは
かなり堪えた。
その後、テクニカルスポーツで
フルチタンのエキゾーストを購入。
出張現地に工具を持ち込んでいたから、
自分で足りない工具をまた少し買い足して、
自分で脱着、組んで装着。
バイクは自分で触るに限る。
もう体のあちらこちらが痛い。
懲りるほど物分りがよければ
バイクになんか乗らないって!
そんな好きなフレーズがある。
確かにクルマがあれば
事足りることが多い。
10代はクルマがないからこそ
一生懸命だったけど、
今は違う。
だから、わざわざ乗り出すって
感じに成らざるを得ない。
バイクに乗ると、
それが可能かどうかは別にして、
「絶対に負けない、負けるわけがない」って
気になってしまう。
あと、「今しかない、ここしかない」とか。
純粋自己表現文学。
そう純文学に近い。
バイクはバックギアがない
だから好き
むかし富樫ヨーコさんが
そんな当たり前のことを言っていた。
今このフレーズの意味が
だいぶ分かるようになった。
歳なのかなとも思うし、
まだまだ全然と思う。
剥き出しの意思と現実、
その葛藤こそが生きていくと
言うことなんだと思う。
人それぞれに。
この夏休みは、バイクに関わる
様々なものを大人買いしてしまった。
お金があればなんでも出来ると言う
人がいるけれど、
それが人の金だとすると、当てにする
となると全く話が違ってくる。
自分で稼げるようになって、
いろいろ出来るようになれば、
それは社会の豊かさや自身の
成長にほぼ比例しているものであって
喜びと言う感情が生まれるのだと思う。
けど、人の金を当てにして
上手く引き出すことに成功し、
よしんば何ものかを成し遂げても、
そこに快感はあるか知らないが、
果たして人の金で成し遂げた
ものに喜びはあるのだろうか。
ましてそれが、自分の夢に
関わることなら、そんなものは
到底受け入れようが無く
陰惨たる感情にやがては
支配されてしまうのだと考える。
夢と実業は、
すべからく一対なんだなと、
最近はぼんやりと思うようになった。
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