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2008年1月 4日 (金)

無茶してたイエティ

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 競技クラブの合宿が、今日を含め
四日間ありながら、軟弱な筆者は
横浜の我が家でスキーなんかの
チューンナップなぞをしながら
久々の我が家生活を満喫してる。
 合宿は5日に行くことと。

 考えてみれば、筆者がスキーを
始めたのは人より遅く、それが
今までスキーにこだわる理由にも
なっているように思える。

 初めてスキーをしたのは、
25歳だったか。
 小川町のコージツで
K2の板とアルピナの
ブーツを買った。
 この頃はとにかく
用品が高かった。
 今から考えるとアホらしく
なるくらい商社が暴利を貪って
いたという事になる。初スキーは、
当時同行した兄弟の趣味で、
裏磐梯猫魔スキー場だった。
 その後も何度も訪れたが、
ここはとても寒く、雪も多め。
 最初のスキーは、リフトも
満足に降りられないほど散々な
結果だった。
 平らなバーンが、物凄い
急斜に感じられた。
 猫魔はゲレ食も貧弱で、
何時間も待たないと満足に
席にも着けない有様。
 なんだかスキーの楽しさを
知らずに挫折しそうだったのを
よく記憶してる。

 その後、苗場や猪苗代なんかにも
友人と行ったが、まったく上手く
滑れなかった。

 それからは一人ぼっちで
クルマを走らせて、よく滑りに行った。
 いわゆるコソ練って奴。
 とにかくありとあらゆるスキー場を
廻ったが、その当時にハマったのが
野麦峠スキー場と言う、固めの
バーンコンディションで有名な
ローカルスキー場だった。
 ただここは、縦に長いゲレンデで、
TOPとベースの標高差は1000m近くあった。
 ここでカッ飛びスキーを覚えた。
 テクニックもそれなりに
身についた。
 今でも緩斜面での小回りは苦手。
 それは野麦峠の急斜中回りの
クセが染み込んでいるから。
 ここには奈川倶楽部という
ペンションがあり、何回か
お世話になりました。
 ご飯がとても美味しいところです。

 またまたその後は、バックカントリーに
身を投じた。
 この頃のバックカントリーは、
山家(登山家)の独壇場だった。
 筆者のようにゲレンデから移行した
好きモノにはこの頃逢えなかった。
 好きもののボーダー君が山に
分け入って来たのは、そのずっと後。
 上越の巻機山、尾瀬の燧ガ岳(御池から)、
月山など日帰り可能な山々。
 訳も分からずソロで、今考えれば無謀にも
単独行での山行を好んだ。
 山用の用具も高かった。
 板はアルチブルムなどの軽い奴。
 金具はフリッチの山用。
(歩行時はかかとが上がる細工)
 ブーツはビブラムが打ち込んである
スカルパのプラスチック兼用ブーツ。
 山スキーの必須アスピリン、シール。
 その他、バカ高いゴアテックスのウエア。
 ザック、歩行用のアイゼン、
オプティマス8Rなど等・・・
3947726

 山家よりも山に慣れていない分、
いかめしい格好で山に入っていった。

 3月から4月、残雪期の山の中は、
さても静だった。
 自分の息遣いくらいしか、
音のない空間だった。
 この静寂は今でもよく
おぼえている。
 おぼえている と、
忘れない とでは意味が違うんだ。
 いつも腹が空いていて、
でも何も考えずに、ただ一本を
滑るためにピークを目指していた。
 
 二度目の巻機山のニセピーク付近で、
筆者は滑落しそうなほどの転倒をした。
 もう少し先に行っていたら、
雪庇を突き抜けてお陀仏だった。
 鼻を鋭く切った。寒さで麻痺していて、
あまり痛さは感じなかったけど。
 
 もうその頃はソロで、しかも殆どの
山スキーを移動も含め日帰りと言う、
今から考えればとんでもない強行を
していたことからして肉体に限界を感じていた。
 
 転倒したその日も、仕事終わりの前の晩に
石打で高速を降りて、清水の集落まで
当時の愛車シトローエンBX19を
走らせ、そのまま朝まで仮眠と言う
いつものスケジュール。
 
 転倒後は気も動転していたのか、
下りは何度もルートを誤った。
 とても疲れていた。
 もう途中で板を捨ててしまおうかと
何度も思った。
 暗くなるにつれて、遭難の二文字が
頭に浮かぶ。残雪期とは言え、
上越のこの辺りの雪はまだまだ
吹雪いたりしながらとんでもない
勢いで降り出した。
 山の4月上旬は、まだ真冬だった。

 なんとか下り、道路の頼りない街路灯が
見えてきた。
 道路の上、5m以上高い雪積もりの
中を街路灯を頼りに清水集落まで
戻った。随分と離れた場所に
下山したみたいだ。

 クルマのところまで戻ったら、
集落の人が心配して
待っていてくれた。
 朝出て行ったきり、戻らない
筆者を。
 時計は10:00近かった。

 そのとき筆者の顔を見て、
その集落の方がびっくりしていた。
 びっくりするほどの顔ですよ、
どうせ俺様は。

 腹が減って仕方が無かったので、
石打インターそばの洋食屋に
寄った。
 店に入ると、ウエイターも直ぐそばの
彼女の連れの男もその彼女も、
筆者の顔を見てブルっていた。

 さきほどの集落の人といい、
いったいぜんたいなんなんだ?

 疑問はレストルームに顔を洗いに
行ったとき分かりました。

 激しく切った鼻の頭に、
凝固した血がこびりついて
真っ黒になっていたのです。

 おまけに、顔は目の周りを
除き、雪焼けで皮が破れて
いました。

 集落の人にも、
この店の人々にも、
とんでもない恐怖心を
抱かせてしまいました。
 すいません。

 

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