落日のジョカトーレ
今朝は三時半には目覚めて、ローテンションなままブラジル戦を見ていた。
巻に、ブラジル相手に得点する能力などないことはサッカーを知っている人にはわかりきっている話だ。
フレンドリーマッチしか経験のないFWが通用する。そんなに甘い訳がない。
玉田はスターター向きなのか、一汗二汗かいて、ようやく足元に球が落ち着くようになり、得点をする気配は感じていた。ブラジルは得点を重ねたけれど鈍重で、完全に手抜きのゲーム運び。死に体の日本に本気のコンタクトなど必要なかった。
代表に選出される選手の個々の能力について、差が大きくあるとは筆者は思っていない。
中田が最後まで声を枯らして叫んで同調を求めていたのは、それら同じような資質を持つ選手に対して、
ワールドカップ本戦に出場するフットボーラーのありようであったように思う。
条件も環境も整っているのだから、あとは練習量や日常の体の手入れを完全にすること。
誰も五体満足で試合に挑んでいる選手などいない。どこかを傷めていて当たり前だし、
調子がよいときに、よいプレーを披露できるのはこれも当たり前のことなのだ。
調子が悪い時にも一人前のプレーをする。真のプロフェッショナルとはそう言うものだ。
やはりカズのような選手はなかなか出てこないものだ。
的確なスコアラー。
貧乏なブラジル時代、12時間も、未舗装路のガタガタな道路をボロボロの移動バスで、
着いた先のグラウンドはわずかな豆電球ほどの照明でのナイターゲームであったと言う。
それでもプロであるが故、最高のプレーをいつでも求められた。
貧乏な日本人プレーヤーカズ。ロクに食うものもなかったのか、ブラジル時代の
カズは欠食児童のように貧相な体でヒラリヒラリとDFを軽やかなステップでかわしたものだ。
得点をしなければ生きていけない。それがブラジルのFWなのだ。
日本人は日系社会を築き、成功者を輩出してきた。ただでさえ貧民層の多いブラジルの
サッカーファンだ。多くの嫉妬、先進国への羨望、ニューカマーのカズが簡単に受け入れられる
土壌などある訳がなかった。
FWカズはナチュラルな存在だ。貧乏であったからこそ、大きな成功を望み、
世界一のサッカー大国であるからこそシュートでの失敗など許されなかった。
失敗は失業と貧困に即直結し、試合後即日解雇など当たり前にあるのがブラジル流なのである。
狂ったようにボールを追い、凍てついた大地の狙撃手のようにゴールを冷徹に決める。
そんな選手を輩出する環境は残念ながら日本にはない。広告屋のあぶく銭と、マスコミの下心に
占領された日本に、世界屈指のストライカーを製造する環境など調えられる訳がないのだ。
富豪になりつつあるカズが今でもFWであり続けられる理由は、ブラジルが第二生誕地であったから
これに他ならない。
ブラジルがどれだけ貧乏か、多くの日本人は知らない。
アルゼンチンの英雄マラドーナのサインを見たことがあるなら、
彼が自分の名前すら怪しい文盲であることに気づくことだろう。 
日本人は皆同じような環境で貧しさもそこそこに生活している。
その点からして理解できると思うが、
日本でしか活躍したことのないFWに期待するのは間違っている。
英才学校をJFAは作った。FW候補に教えるのは技術よりもむしろ日本人離れした
メンタリティーだろう。ゴールをしなければ、し続けなければ生きていけない。
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コメント
もはや今の日本の環境で育った選手に、海外と台頭のハングリー精神を期待するのは無理でしょうね。メンタル面での弱さを、カバーするくらいの圧倒的な技術、体力、戦術が必要なのではないでしょうか。韓国、中国と対抗する日本企業と同じ図式のような気がします。
投稿: Masato | 2006年6月30日 (金) 00:50